創建から1200年以上の歴史を持つ清水寺は、国宝や多くの重要文化財が存在する格式高いお寺。日本国内外から多くの人が訪れる京都随一の名所です。
清水寺は日中だけでなく、夜に参拝するのもおすすめ。1年に3回開催される「夜間特別拝観」期間には、ライトアップされた清水寺の幻想的な景色を見ることができます。
この記事では2025年の清水寺夜間特別拝観のスケジュールと、境内の夜景スポット、そして清水寺周辺で同じくライトアップが楽しめる場所をご紹介します。
※本記事は2021年5月時点の情報を元に制作しています。諸事情により最新の状況と異なる場合があります
※2025年2月、一部情報を更新しました
清水寺のライトアップ期間はいつ?
清水寺で行われるライトアップは、春と夏と秋の3種類。全てのライトアップ期間中に夜間特別拝観が実施されます。ライトアップの際に清水寺から放たれる一筋の青い光は観音様の慈悲を表したもの。京都の夜空を照らし、古都ならではの街並みをより一層輝かせます。
2025年春のライトアップ(春の夜間特別拝観)
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春は桜とともにライトアップした清水寺を楽しめる
春のライトアップは桜とお堂の共演が見どころ。
清水寺の境内に咲く桜は、山桜やソメイヨシノなど全部で約1500本。清水寺本堂の舞台からは桜を眼下に望む絶景を、三重塔の下からは見上げた塔と桜の迫力ある風景を楽しむことができます。
清水寺 春の夜間特別拝観(2025年)
●実施期間:2025年3月25日(火)〜4月3日(木)
●拝観時間:17:30〜21:30(21:00受付終了)
※開門は6:00。お守り授与所・納経所(ご朱印)での授与は8:00頃から
2025年夏のライトアップ(夏の夜間特別拝観)
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夏のライトアップ期間中は千日詣りが行われる
夏のライトアップは、「千日詣り(せんにちまいり)」に合わせて実施。「千日詣り」とは、特定の1日のお詣りが1000日分に相当するというもの。観音信仰のあるお寺に多く残る風習で、清水寺では毎年8月9日~16日を千日詣りの期間としています。
期間中は、本堂の内々陣の特別拝観も可能です。内々陣は清水寺のご本尊である「十一面千手観世音菩薩」の像が安置されている場所。普段は聖域として一般参拝者の立ち入りが禁止されていますが、千日詣りの期間は特別なので、一般参拝者も直接観音さまを拝むことができます。
夜間特別拝観は千日詣り期間のうち、最後の3日間で行われます。
清水寺 夏の夜間特別拝観(2025年)
●実施期間:2025年8月14日(木)〜8月16日(土)
●拝観時間:17:30〜21:30(21:00受付終了)
※開門は6:00。お守り授与所・納経所(ご朱印)での授与は8:00頃から
2025年秋のライトアップ(秋の夜間特別拝観)
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秋の清水寺はライトアップされ朱色が紅葉に映える
清水寺で実施されるライトアップの中で最も人気なのが、秋のライトアップです。清水寺は京都でも有数の紅葉の名所。本堂の舞台や三重塔などを紅葉とともに楽しむことができます。
清水の舞台から見下ろす紅葉も、本堂を出たところで本堂と一緒に眺める紅葉も、どちらも素晴らしい景色。清水寺の境内には約1000本のモミジの木があるということです。
なお秋のライトアップ期間中は、清水寺境内にある「成就院」の庭園も特別公開も実施。清水寺の紅葉と合わせて楽しめます。「成就院」の庭園は京都を代表とする名庭の1つ。古くから多くの人々を魅了してきました。池の水面に月が映り込むさまから、別名「月の庭」と呼ばれています。
清水寺 秋の夜間特別拝観(2025年)
●実施期間:2025年11月22日(土)〜12月7日(日)
●拝観時間:17:30〜21:30(21:00受付終了)
※開門は6:00。お守り授与所・納経所(ご朱印)での授与は8:00頃から
秋の成就院庭園特別公開(2025年)
●実施期間:2025年11月22日(土)〜12月7日(日)
※入山料は別途かかります
●拝観時間:9:00〜16:00受付終了/18:00〜20:30受付終了
清水寺周辺でライトアップが楽しめるスポット
清水寺周辺には他にもライトアップを楽しめるスポットがあります。清水寺参拝と合わせて、古都・京都で夜のそぞろ歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
高台寺
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高台寺はライトアップと四季折々の景色が楽しめる
豊臣秀吉の正室だった「ねね」が建立したことで知られている「高台寺」。建立当時の建物が、今もなおその姿を残しています。
春の桜や夏の竹林、秋の紅葉に冬の雪がライトアップされ、四季折々の楽しみ方ができるのが高台寺のおすすめポイント。プロジェクションマッピングも実施されるなど、歴史的な良さと現代の技術が合わさったライトアップを楽しめます。
2025年はねね没後400年の年。「咲 ~花無心~」をテーマに、光・音・映像で禅の世界・価値観を表現します。
高台寺 春の夜間特別拝観(2025年)
●実施期間:2025年3月14日(金)~5月6日(火祝)
●点灯時間:17:00〜22:00(21:30受付終了)
●住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町526
●公式サイト:鷲峰山 高台寺
一念坂・二年坂(二寧坂)・三年坂(産寧坂)
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ライトアップで石畳が照らされた二寧坂
清水寺の参道である「三年坂(産寧坂/さんねいざか)」、そして三年坂から続く二年坂(二寧坂/にねいざか)、一念坂は、京都随一の観光スポット。
昼間の賑やかな街を歩くのも楽しいですが、夜の散歩もおすすめ。石畳に照明が反射し、建物を薄く照らされた景色は通年楽しむことができます。
また、毎年8月の3日間には約100基の行灯(あんどん)が街を照らすイベント「夕涼みと灯りの路」を開催。一念坂と二年坂が、行灯の柔らかな光に包まれます。
一念坂・二年坂 夕涼みと灯りの路(2024年)
●実施期間:2024年8月14日(水)~16日(金)
●点灯時間:18:00~20:00
●住所:京都府京都市東山区 一念坂・二年坂
●公式サイト:京の坂みち 一念坂・二年坂
八坂の塔 ※2022年でライトアップ終了
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八坂の塔はライトアップにより重厚感の中に美しさが現れる
清水寺にほど近い東山の町中にそびえ立つ「八坂の塔」。京都市街にある最古の五重塔で、東山一帯のランドマークとして古くから親しまれています。
夜になりライトアップされると、重厚感の中に美しさが出現。二寧坂周辺で八坂の塔を眺めれば、街灯に照らされた石畳とのコラボレーションが楽しめます。
八坂の塔のライトアップが行われる「東山花灯路」は、2022年で20年の歴史に幕を下ろしました。
いつかまた再開されることを期待しましょう。
清水寺境内のおすすめの夜景スポット
清水寺と周辺のライトアップ情報をご紹介してきました。ここからはライトアップをより楽しむために、清水寺の境内で特に夜の景色が美しい場所をご紹介します。記念撮影におすすめですよ。
三重塔
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三重塔がライトアップによって際立つ
西門のすぐ裏手にそびえる「三重塔」。高さ約31mで、国内最大級の高さを誇ります。京都の街からも眺めることのできる、清水寺のシンボル的な存在。美しく朱色に輝く三重塔は、重要文化財に指定されています。
三重塔のライトアップを見るなら、近くよりも遠くからがおすすめ。特に、奥の院から音羽の滝に少し進んだところからの景色は見逃せません。高くそびえる三重塔がライトアップによって際立ち、京都の空に浮かび上がる光景が目にできます。
仁王門
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清水寺の仁王門はライトアップで朱色がより鮮明に
清水寺の正門である「仁王門」。朱色に輝く丹(に)塗りの門で、重要文化財に指定されています。応仁の乱で焼失したものの16世紀初めに再建。2003年には解体修理が行われ、再建当時の美しい朱色を取り戻しました。
仁王門がライトアップされることで、さらに引き立つ朱色の輝き。春には梅、秋には紅葉が仁王門の近くに咲き、ライトアップの美しさとともに堪能することができます。
本堂
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ライトアップされた清水寺の本堂は存在感を増す
音羽山の断崖に位置する清水寺の「本堂」。伝統的な木造建築のお堂で、国宝に指定されています。本堂の前に張り出されているのが、清水寺で最も有名な「桧(ひのき)舞台」。「清水の舞台」としても広く知れ渡っています。
清水寺の本堂は朱色ではないため、三重塔や仁王門に比べるとライトアップの煌びやかさは控えめ。それでも本堂が夜空にくっきりと浮かび、その存在感を増します。また清水寺の本堂や舞台を見るだけでなく、舞台から京都の街を眺めるのもおすすめ。煌めく京都の街並みを一望できるのも、清水寺がライトアップされる時だけの特権です。
清水寺の基本情報・アクセス
清水寺 基本情報
●住所:京都府京都市東山区清水1丁目294
●開門時間:6:00
●閉門時間:18:00(7・8月は18:30閉門)
※お守り授与所・納経所(ご朱印)での授与は8:00頃から
●拝観料:大人400円 小・中学生 200円
●公式サイト:音羽山 清水寺
清水寺へアクセス
JR京都駅から市バス206系統・東山通北大路バスターミナル行きに乗車。「五条坂」で下車し、徒歩約10分。
ライトアップされた清水寺を堪能する
今回は、清水寺のライトアップについて紹介しました。日本で人気の観光地・京都の中でも、特に多くの観光客が訪れる清水寺。1200年以上の歴史を感じる昼間の姿に加え、夜になってライトアップされることで違った表情が楽しめます。
歴史の重みを感じるとともに、ライトアップによる輝かしい清水寺を堪能してみてはいかがでしょうか。